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外壁塗装「3回塗り」の各工程で品質が決まる理由| 下塗り選定が重要な根拠
2026年07月07日(火)

外壁塗装の見積書を見比べていると、多くの塗装会社が「下塗り・中塗り・上塗りの3回塗り」と記載しています。ただ、「3回塗りと書かれていれば本当に安心なのだろうか」と疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。
実は、外壁塗装の品質は「塗る回数」だけで決まるものではありません。各工程に役割があり、特に最初に塗る下塗りの選定が、仕上がりや耐久性に大きく関わってきます。
この記事では、3回塗りそれぞれの工程の意味と、下塗り選定が重要とされる根拠、そして品質の高い施工を判断するための確認ポイントを、わかりやすく解説します。
外壁塗装の3回塗りは、塗料の性能を引き出す基本工程です

まずは、外壁塗装で「3回塗り」が基本とされている理由を整理します。回数を増やすこと自体が目的ではなく、塗料が持つ本来の性能を発揮させるために必要な工程であることを押さえましょう。
外壁塗装は「下塗り・中塗り・上塗り」の3工程
外壁塗装は、一般的に下塗り1回・中塗り1回・上塗り1回の合計3回に分けて塗り重ねます。中塗りと上塗りには同じ塗料を使うことが多いため、「上塗り2回」と表現される場合もありますが、内容は同じです。
それぞれの工程には明確な役割があります。
下塗りは外壁材と仕上げ塗料をつなぐ土台
中塗りは塗膜の厚みを確保する補強
上塗りは美観と保護性能を整える仕上げ
3つの工程が積み重なることで、はじめて1つの塗装が完成します。
塗膜とは、塗料が乾いて固まった保護層
塗膜は、塗料が乾燥して固まり、外壁の表面にできる薄い保護層のことです。雨水・紫外線・気温差といった外部のダメージから外壁材を守る役割を担っています。
塗膜は、顔料(色をつける成分)・樹脂(耐候性や柔軟性を左右する成分)・添加剤(防カビ剤など)などで構成されています。塗料を塗ると、水や溶剤が揮発して残った成分が固まり、塗膜となります。
つまり、塗膜の厚みや均一さが、そのまま外壁の保護性能につながっていくのです。
3回塗りが基本とされる理由は「密着・厚み・耐久性」
外壁塗装では一般的に3回塗りが基本とされている理由は、大きく3つあります。
1つ目は、密着です。
下塗りが外壁材と仕上げ塗料をしっかり接着させる役割を担っており、密着不良があると早期の剥がれにつながります。
2つ目は、厚みです。
中塗りと上塗りを2回に分けて塗り重ねることで、メーカーが規定する塗膜の厚みを確保しやすくなります。
3つ目は、耐久性です。
多くの塗料は、規定の塗布量を2回に分けて塗ることを前提として性能が設計されており、工程を省くと本来の耐久年数を維持しにくくなります。
1回でまとめて厚塗りをすればよい、という考え方は通用しません。塗料には粘性があり、1回で多量に塗装するとムラになります。逆に薄く塗ると塗膜の厚みが不足し、防水性や耐候性が発揮されにくくなります。
だからこそ、規定された塗布量を、規定された工程数で塗り重ねることが、品質確保の前提となるのです。
塗料や外壁材によって、適切な工程数が変わる場合も

「すべての外壁塗装が必ず3回塗り」というわけではありません。塗料製品の進化により、「下塗り不要」や「中塗り不要」とされる塗料も登場しており、その場合は2回塗りが正しい工程です。
反対に、外壁材の傷みがひどい箇所やサビが発生している箇所では、下塗りを2回以上塗り重ねて4回塗り以上になるケースもあります。下塗りが塗料を吸い込みすぎて役割を十分に果たせない場合、塗り重ねて吸い込みを止める必要があるためです。
適切な工程数は、外壁材の種類・劣化状況・使用する塗料の仕様によって変わります。
「3回塗りだから必ず正しい」「2回塗りだから手抜き」と一概に言えるものではない、という点は押さえておきましょう。
「3回塗り」と書かれているだけでは品質は判断しきれません
見積書に「3回塗り」と記載されていても、それだけで品質を判断することは難しいといえます。重要なのは、どの塗料をどの程度の量で、どの乾燥時間を守って塗るのかという中身です。
「塗料を節約するために規定より薄く塗る」「乾燥時間を短縮して工期を縮める」といった塗装が行なわれた場合、見た目は3回塗りでも本来の性能は発揮されにくくなります。
下塗りの選定が、外壁塗装の品質を左右します

3回塗りの中で、もっとも品質への影響が大きいのが下塗りです。ここの選定を誤ると、どんなに高性能な仕上げ塗料を使っても本来の性能を引き出しにくくなります。
下塗りの役割と、外壁材に合わせた選定の重要性を見ていきましょう。
下塗りには大きく3つの役割があります
下塗りの役割は、主に次の3つに整理できます。
1つ目は、外壁と仕上げ塗料を密着させる役割です。中塗り・上塗りに使う塗料は、下地の状態によっては十分に密着しにくい場合があります。下塗りが接着剤のように働くことで、塗料が外壁にしっかり定着します。
2つ目は、劣化した下地を整える役割です。築年数が経った外壁にはひび割れや表面の荒れが生じています。下塗りで下地を整えることで、仕上げ塗料がきれいに塗れる状態をつくります。
3つ目は、塗料の吸い込みを抑える役割です。劣化した外壁は、スポンジのように塗料を吸い込みやすくなります。吸い込みが止まらないまま中塗り・上塗りをすると、塗膜の厚みが不足し、色ムラ・艶ムラや早期の剥がれにつながる可能性があります。
代表的な下塗り材は「シーラー・プライマー・フィラー」
下塗り材には複数の種類があり、外壁の状態や仕上げ塗料との相性で使い分けます。代表的な3種類を簡単に整理します。
これらに加えて、ひび割れに追従する伸縮性を持つ「微弾性フィラー」や、遮熱機能を備えた下塗り材なども存在します。
外壁材や劣化状態によって、適した下塗り材は変わります

下塗り材は、どの外壁にも同じものを使えるわけではありません。外壁材の種類、劣化の進行具合、前回の塗装で使われた塗料、そして今回使用する上塗り塗料との相性を踏まえて、適した下塗り材を選んでいく必要があります。
たとえば、前回の塗装で「無機塗料」や「フッ素塗料」が使われていた場合、一般的な下塗り材では密着しにくいです。
また、伸縮性の高い塗料が使われていた外壁に、伸縮性のない下塗り材を使うと、塗膜がひび割れする原因になる場合もあります。劣化が激しい外壁では、シーラーを2回塗ってからフィラーを重ねるケースもあります。
つまり、下塗り材の選定には、外壁の状態を正確に把握する診断が欠かせないということです。
診断を行なわずに仕様を決めると、早期不具合のリスクが高まります
外壁を十分に診断しないまま下塗り材を決めてしまうと、いくつかのリスクが生じます。以下のいずれも、下塗り選定のミスから起こり得るものです。
塗料の吸い込みが止まらず塗膜の厚みが確保できない
密着不良で数年以内に剥がれが発生する
ひび割れに追従できず再びひびが浮き出てくる
こうしたリスクを避けるためには、現地調査で外壁材や劣化状況を確認し、診断内容を踏まえて下塗り材と上塗り塗料を選定することが重要です。資格保有の有無だけでなく、診断内容や提案根拠まで確認すると安心です。
「どの上塗り塗料を使うか」だけではなく、「どの下塗り材と組み合わせるか」までを含めて、塗装仕様は決まっていきます。
株式会社オムラの診断と提案の流れ
株式会社オムラ(プロタイムズ下関店)では、外装劣化診断士の資格を持つスタッフが、屋根の上や屋根裏まで含めて建物全体を診断しています。
診断には1時間から2時間ほどかけ、ビデオカメラで普段見ることが難しい箇所も記録。診断結果は、複数ページにわたる外装劣化診断報告書としてまとめ、劣化状況やメンテナンス時期の目安をお伝えしています。
お住まいの状態を把握したうえで、外壁材や劣化状況に合った下塗り材・上塗り塗料の組み合わせをご提案する流れです。
中塗り・上塗りで、塗料本来の性能を完成させます

下塗りで土台を整えたあと、中塗り・上塗りで塗料の性能と仕上がりを完成させます。見た目を整えるためだけの工程ではなく、塗膜の厚みと耐久性を確保する重要な役割があることを見ていきましょう。
中塗りは「塗膜の厚みを確保する」工程です
中塗りは、下塗りと上塗りの間で塗膜の厚みを確保する役割です。多くの塗料は、中塗りと上塗りの2回に分けて規定量を塗り重ねることで、メーカーが想定する性能を発揮できるよう設計されています。
中塗りを省くと、塗膜の厚みが不足し、耐候性や低汚染性、遮熱性など塗料本来の性能が十分に発揮されにくくなる可能性があります。また、外壁表面の保護性能にも影響する場合があります。
また、中塗りの段階で外壁の表面が平らで均一な状態に整っていると、上塗りをきれいに仕上げることが可能です。
上塗りは「仕上がりと保護性能を整える」工程です
上塗りは、外壁塗装の最終工程です。
人の目に触れる部分であり、外壁の見た目の美しさは上塗りの仕上がりで決まるといっても過言ではありません。さらに、上塗りは雨水・紫外線・汚れから外壁を守る最前線の保護層にもなります。
上塗りには、防汚性・防水性・遮熱性といった機能性が備わっていることが多く、塗料を選ぶ際にはこうした性能をどこまで求めるかが選定のポイントです。中塗りと上塗りに同じ塗料を使うことで、性能が設計通りに発揮されやすくなり、塗膜の一体感も保たれます。
塗布量はメーカーが定めた規定塗料量を守る必要があります
塗布量とは、1㎡あたりに塗る塗料の量のことで、メーカーが塗料ごとに明確に規定しています。たとえば「0.25〜0.35kg/㎡」と定められていれば、その範囲内で塗り重ねることが本来の性能を発揮する前提です。
塗布量を守らずに薄く塗ると、塗膜の厚みが不足し、チョーキング※や退色、塗膜のひび割れといった不具合が、本来の耐久年数より早く現れる可能性があります。
塗布量は、塗装面積※から逆算して、必要な塗料の缶数を計算することで管理できます。
※チョーキング: 手で触ると白い粉がつく劣化症状。
※塗装面積: 窓や玄関などを除いた塗装する面の面積。
工程ごとの乾燥時間を守ることも品質に関わります

塗料には、メーカーが定めた塗り重ね乾燥時間があります。下塗りが乾かないうちに中塗りを重ねたり、中塗りが乾かないうちに上塗りを重ねたりすると、塗膜がきちんと形成されず、膨れや剥がれの原因になるのです。
一般的に、塗り重ね乾燥時間は3〜4時間ほど必要とされる塗料が多く、下塗り・中塗り・上塗りをすべて1日で終わらせることは現実的ではありません。
「1日で塗装を仕上げます」といった工程が提案された場合は、乾燥時間が守られているかを確認しておくと安心です。
下塗りだけでは塗装の性能は完成しません
下塗りが品質を左右する重要な工程であることは間違いありませんが、下塗りだけで塗装が完成するわけではありません。
下塗りで土台を整え、中塗りで厚みを確保し、上塗りで仕上がりと保護性能を整える。3つの工程が、それぞれの役割を果たしてはじめて、塗料は本来の性能を発揮しやすくなります。
3回塗りの品質は、どれか1つの工程だけが優れていればよいというものではなく、「全工程の積み重ねで決まる」という視点が大切です。
3回塗りの品質は、見積書と施工管理で確認できます


品質の高い塗装工事を判断するために、契約前・施工中に確認したいポイントを整理します。価格の安さだけで塗装会社を選ぶのではなく、診断・見積書・施工管理・説明体制まで含めて判断していきましょう。
見積書を受け取ったら、まず確認したいのは「工程・塗料名・缶数」の3点です。
下塗り・中塗り・上塗りの工程が分けて記載されているか
使用する塗料名(メーカー名・商品名)が明記されているか
塗料の缶数まで記載されているか
「一式」表記が多い見積書は、どの範囲までの作業が含まれているのかが不明瞭になりがちで、工事が始まってから追加費用を請求されるトラブルにつながることもあります。何㎡・何mの作業を予定しているのか、具体的な内訳を確認しておくと安心です。
契約後、工事が始まってからは、工程ごとの写真記録・日々の工事報告・完了後の説明という3つを確認していきましょう。
下塗り前・下塗り後・中塗り後・上塗り後といった各段階の写真があれば、規定の工程が守られているかを後から確認できます。完了後は、使用した塗料・塗布量・施工内容・検査結果がまとまった工事完了報告書が提出されるかどうかが、施工内容の透明性を判断する一つの目安です。

株式会社オムラ(プロタイムズ下関店)では、3回塗りの各工程を適切に管理するために、次のような体制を整えています。
契約前の建物診断では、外装劣化診断士が屋根の上や屋根裏まで含めて時間をかけて診断し、報告書としてまとめる
工事中は、基準塗布量と塗り重ね乾燥時間を守り、搬入した塗料の写真撮影や工程ごとの記録を残す
完了後は、見積書・保証書・診断報告書・工事完了報告書などをまとめた住宅履歴情報ファイルをお渡しする
「我が家にはどの下塗り材が合うのだろう」「見積書の内容が適切かどうか判断したい」「劣化の進行具合を一度確認しておきたい」といった場合は、まず現状把握のために建物診断や相談を活用してみる方法もあります。
下関市で外壁塗装をご検討中の方は、株式会社オムラ(プロタイムズ下関店)までお気軽にご相談ください。
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